毎日の世話について
飼育者にも蛇にも快適な生活を送ってもらえればと思い、このページを作りました。

始めに断りを入れておきますと、これは貴方や蛇を束縛する法律のようなものではないということです。

飼育はその飼育者の好きなように、やりやすいスタンスでやり、なおかつ蛇が快適に生活できればそれで良いのです。

我が家の一日の蛇の世話の内容としては・・・・

給餌・飲み水の入れ替え

健康チェック

糞掃除

でしょう。

給餌に関しては、基本的にその蛇が活動する時間帯に合わせて給餌したほうが良いと思います。

瞳孔が丸い青大将やシマヘビは、よく夜行性扱いされますが昼行性です。朝暮性(朝・夕に活発になる)の傾向もあるようですが、日中温度の高い時に与えると良いと思います。

その方が温度が高いので消化もスムーズに行われますしね。

飲み水も消化吸収を助けるために蛇が飲むので新鮮な水を用意します。
他の爬虫類と違って口を付けて吸い込むように飲むので人と似ているって言えば似ています(笑)

夜行性のシロマダラに関しては、人が見ているのもNGですし、夕方等の夜の早い時間でも餌を食わないので深夜0時頃に給餌しています。

昼行性であってもツマベニナメラのような神経質な個体や環境に慣れていない蛇は暗くなって人の気配が無くなってから活動して餌を食べてくれる場合が多いと思います。

健康チェックに関しては、

蛇の体(特に尾の先や眼球)に脱皮殻が残っていないか?

湿度が足りない・栄養が足りない・ストレス等が原因となって脱皮蛾殻が脱げにくくなる為に脱皮不全と言う病気になるのですが、眼球に皮が残ると目が見え難い為にイライラしてストレスになるし、新しい眼球の鱗(アイキャップと言う)と古い鱗の間に雑菌が繁殖して失明する恐れもあります。この場合、ぬるま湯に付けて古い皮をふやかしてから目の端のほうからピンセットを使って取っていきます。

これをやるには蛇を保定する必要があるし、ピンセットで目を突き刺したりすると怖いので出来れば獣医かショップの店員さん、あるいは筋金入りの愛好家さんに頼んで取ってもらうと良いと思います。

なお、こびりついた古い皮を取るのは至難の技で、大変苦労するのでこびりつく前に気がついてあげてください。日頃の観察が大切です。

怒っている訳でもないのに口を開けてシュウシュウと言う音を立てて呼吸していないか?

呼吸器官系の異常だと思われます。手をこまねいている暇は無いので即病院へ。

ウィルスや細菌や舞い上がった糞塵によって呼吸器官にダメージを与えた事により肺等が炎症して肺炎等を誘発して起こります。

ほうっておけばまともな動きすら出来なくなり、そういう動きになると12時間くらいで死亡します。

予防としては清潔な飼育環境を心がけ、蛇にストレスを与え難い掃除が出来る床にして、糞は取り除いて残った糞も雑巾などで綺麗に拭き取る必要があります。わずかに残った糞・尿酸が舞い上がり蛇を苦しめることがあるからです。

また冬場は起こりやすいので霧吹きで小まめに霧を吹いて湿度を保ちます。冬眠中の個体は特に管理が疎かになる恐れがあるので小まめに見て霧を吹いたほうが良いと思います。


口から変な液体を垂らして口が閉じられなくなっていないか?

口の中に付いた僅かな傷に雑菌・細菌が入り、マウスロットと言う口内炎に罹ると口の中がチーズのような膿で一杯になり、口も閉じられなくなり、唾液も相当糸を引くようになり、痛いので餌も食べられずに衰弱します。

そこから顎の変形や肺炎の誘発なども起こるので早めに病院に行かれることをお勧めします。

治療は、抗生物質の投与と、口内の膿の除去と洗浄&消毒をします。

愛好家の中には口内消毒をイソジンで行い、直す方も居られますが、悪いことを言わないので病院へ。(口を開くのに保定する必要がありますからね。しくじれば保定失敗で頚椎を損傷させる事すらあるのですよ)

餌を食べているのに太らずに痩せる一方か?

寄生虫の問題ですね。獣医の指示の元、駆虫をしましょう。

硬く盛り上がるような鱗を巻くか?

蛇は健康だと硬く締まったトグロを巻きますが、不健康だと明らかにグターッとしたトグロを巻きます。

鱗に艶があるか?

蛇は健康な時にはロウ状の物質を分泌しているそうで、これで体の艶を保っています。この艶で汚れなどを弾くのですが、元気が無くなるとこの艶が弱くなるので汚れた感じになるのでしょう。

筋肉に張りがあるか?

元気な個体と不健康な個体では明らかに違います。健康なほうはピッチピチです。

伸びたうどんと言おうか、パンクしたタイヤみたいになっていないか?

これは顕著に出るので分かりやすいと思います。前から見ると本当にパンクしたみたいにベターッとなっています。

お腹を押したときに力無く凹んだりしないか?

餌を長期間食べてないために胃腸が弱くなっている証拠です。
胃腸の弱りは小さい餌を与えて立て直すことが出来ます。
野外で蛇を見たときに拒食の有無を知ることが出来ますね。

人の指等に興味を持つか?

食い気のあるナミヘビは人の指に激しく反応します。

背骨が浮き出ていないか?

痩せている証拠です。寄生虫の有無を知るために検便をする必要があります。
長期飼育でこうなったら状況に合わせたケアをする必要がありますね。
餌を長期間食べていないならどうやったら食うのかとか。

正常に這うか?

逆さになって這っていて、あまり動かないで変な動きをしていた場合、残念ですが手遅れです。大体24時間以内に死亡します。
ただ、普通に餌も食べて這い回るようなら話は別で、肺炎か何かですから獣医に連れて行き、調べてもらうと良いと思います。

脳に異常を来たした場合も食い気がある場合があり、それでも感覚器官が麻痺しているので正常な行動を取れないことも。

等、ざっとあげただけでもこれだけのチェックポイントがあります。これが全部と言うわけでは無いのですが参考にしてください。


季節ごとのケア

春・・・
冬眠明けなので消化器官も弱って居るため、消化吸収の良い、いつも与えているのより一回り小さい餌を与えて体力を付けさせます。1〜2週間後には通常サイズに戻しても良いと思います。

肉付きなどを見て、♀は繁殖に使う予定があれば小まめに餌を与えて体力を付けさせます。太りすぎに注意。
食い気が戻らないようなら初給餌で活マウス等の活餌を用いてください。そこから餌付け直すような感じで冷凍物に慣らすと良いです。

なお、油断すると温度管理に失敗して肺炎等の呼吸器官の疾患を招きます。起している、その季節が3月半ばであると言う自覚を持って湿度・温度の管理をしたいものです。

P.S.生まれた時に初めて食べた餌に固執(つまり、生まれて初めてヒミズを食べたジムグリはそれしか・・・・汗)してそれしか食わない個体もざらではないらしいジムグリ(WC)の場合は、夏は夏眠のようになり拒食モードに入ってしまう場合が多いらしいので夏に向けてガンガン食わせます。

ジムグリは秋になれば食いだす個体が多いらしいのですが、そうならない個体は翌年の春まで食わないこともあるそうなのでそれも計算に入れると良いと思います。
ジムグリはCB化するとガンガン食べるらしいですね。聞いた話で済みません。

夏・・・幼蛇は成長の為に、♀蛇は産卵の為に沢山の栄養を必要とするので餌は小まめに与えます。

また、ボア・パイソンと違って大半のナミヘビは暑さに弱いです。エアコン等を使って25〜28℃に設定してあげると良いと思います。

我が家のスジオは暑いのに馬鹿みたいに食欲があって、見る見る成長していったのでCBともなると強いのかな?とちょっと思ったりします。

熱中症も起こる季節なので本当に気をつけてください。暑さで餌食いが落ちたり、逆に上がったりする個体も見られ、違いが顕著です。

夏の終わりから冬眠準備を進めていくと良いと思います。

秋・・・通常ならジムグリが拒食が治って秋の荒食いを始める季節です。

他の蛇も冬眠準備をするために餌をいつもより多めに与えて良く太らせておきます。

段々空気も乾燥してきて呼吸器官系の病気も出てくるので加湿器や霧吹きで湿度を高めに保ちます。蒸らさないように通風も確保してください。

外の最高気温が20℃を切ったら水槽に腐葉土と落ち葉を入れたりして暗く温度変化のない場所に置きます。

冬眠の一週間くらい前には給餌をストップし、新鮮な水だけ与えます。
温度管理などは冬眠のページに書いてあります。

冬・・・凍てつく寒さが続く季節です。脱皮不全と呼吸器官系の病気が冬眠中の個体を襲う季節でもあるので湿度管理はしっかりと!
温度も均一に保ち、眠れる温度(10〜13℃が無難)にします。

保温して冬季も飼育を続けている場合でも、湿度には特に気をつけてください。特に年末は忙しさゆえに世話が手抜きになりがちですが、しっかりとケアしてください。

青大将などは食いが落ちるので活餌を試すとか好物を与えてみるとかとにかく食わせる努力が必要です。

ヒバカリは起しておくよりも寝かせておくほうが健康にも良いらしいですし、腹持ちの悪い蛇の冬季の拒食を考えれば無駄なことをせずに冬眠させたほうが楽でしょう。

春間近になったら徐々に温度を上げていきます。日照時間もタイマーなどでコントロール出来るならそれでも良いのですが、日本の蛇なら外光の影響を受ける場所に移せば良いと思います。

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