シマヘビ Elaphe quadrivirgata
▲左 シマヘビのムギワラタイプ(パターンレス) 右 シマヘビ(ノーマル)▲
▲屋久島のシマヘビは顔つき、サイズが異なる。
分布: 北海道・本州・四国・九州・国後・飛島・粟島・佐渡・隠岐、見島・壱岐・五島・御蔵島以北の伊豆諸島・大隅諸島・愛知県篠島
大きさ:1〜2m 北海道の個体群は80cm以下が多いそうだ。
概要:蛇型ロボットのモデルにもなった蛇が本種である。本土の蛇の中では最速で動け、とても素早いとされるが目の前で野生のシマヘビに走られても余り早いとは感じない。
麦わらや赤茶けた物や茶色いものなどバリエーションがある蛇で、品種改良ができるんじゃないかと期待してしまう。
カラスヘビと言うのは本種のメラニスティック(全身真っ黒い)であり、カラスヘビと言う種が存在するわけではない。
性格は荒く、人が近づけば尻尾を打ち鳴らし、噛み付いてくる。食性はトカゲ・ヘビ・カエル・魚(与えても余り食べない)・哺乳類・鳥・・と、性格と共に本土のアカマタみたいである。
背中に通常は四本の明確な縦縞が入り、目は目つきが悪い上に赤いので区別が付く(カラスヘビは目まで黒い個体も存在する)
飼育:アオダイショウと同じで本によっては夜行性とされていますが、目の構造を見るに昼行性です。
その証拠に日光浴も好みます。夜も若干活動すると言う程度のものと考えてよいと思います。
温度に関しても24℃前後を目安にし、夜にはやや下げるくらいが良いと思います。
他の蛇と違って温度変化には割りと強く、当サイトに紹介されているヘビの中でも飼い易い部類に入ります。
ただ、晩秋から冬眠モードに入る個体が出てきて、加温していても光周期の関係か体内のホルモンバランスからなのか拒食する個体が続出するので太らせるのなら夏の終わりくらいまでに太らせ、拒食シーズンが到来したらさっさと冬眠なりクーリングなりさせたほうが良いと思います。
餌を問題なく食べていて来春に繁殖を考えている場合は、11月の始め〜12月中旬辺りに外気の最高気温が12℃を切った辺りから冬眠させると良いそうです。
怒りやすいヘビですが怒るとストレスも溜まりますし健康を害するので静かな環境で飼育しましょう。
慣れてくると餌や指の動きを顔を動かして追いかけたりしますし、むやみやたらに怒らなくなります。
喉がアオダイショウより細いので小さめの餌を与えると言いそうです。与えればアダルトマウスも余裕で飲みますが、若干リスクがあるので不安ならホッパーを与えましょう。
ケージ: アオダイショウと同じで行動的なのでケージはなるべくなら大きなものにしてあげたほうが健やかに成長すると思います(実証済み)本で良く書いてあるようなとぐろを巻いた三倍の面積と言うのは、それでも生きていますよ・・と言う程度で、それが理想じゃないのです。
しっかり蓋をできるようなら最終的には衣装ケース。あるいは75〜90p水槽が必要になると思います。パネルヒーターを設け、それを片面に敷いて温度勾配ができるようにし、枝はケージの上部に床と平行になるように渡します。その端に筏を組んでやるとなお良いです。
立てかけただけだと蛇が上って休めません。床材は新聞紙やキッチンペーパーが良く、餌のマウスにくっつかないので使い勝手が良いです。
また、水入れは大きめにして脱皮の前に水に漬かれるようにします。掃除の際には糞をしっかり取らないと僅かな糞塵が舞って蛇の呼吸器官にダメージを与えます。だからと言って毎日のように掃除をしているとストレスになる場合もあると思います。パワーがあるので重石も漬物石くらいに重いものでないと脱走を招きますのでご注意ください。
餌:野生では、カエルを主体として色々なものを食べていますが、飼育下ではほぼマウスだけで飼育可能。他のラットスネークのように飼えます。
ナミヘビの仲間は初動成長が物を言い、幼少期にどれだけ食べたかが後々の成長に影響します。
一歳未満の個体を飼った場合は、毎日のように口に入るサイズのマウス食べるだけ与え、温度も若干高めに保って飼育します。
最初の二年は結構大きく、ここで差がついた場合はその差が開いたままになるので注意が必要です。
幼蛇の二年は成長期であるためとても大切です。頑張って大きくしてください。食べたら食べただけ育ちます。
脱皮前に餌を食べなくなり、脱皮に体力を使って脱皮後に急に餌を食べるようになりますのでこの瞬間をお見逃し無く!これは他のElaphe属にも言えます。
また、蛇に餌をやる時には、蛇から離れた場所に置いてやるとトラブルもありません。
蛇は餌を食べる時に、格闘のスペースはあるのか?餌の大きさはどれくらいか?餌の種類は何か?餌を食べている時に襲われたらどうしよう?餌のある場所は敵に見つかりにくい場所か?敵は近くにいるか?等実に様々な事を考えているようで、それは行動にも出てきます。
そこを配慮してください。蛇は基本的に臆病で神経質です。
また、餌を食べた蛇は刺激を受けると吐いて弱る可能性があるのでそっとしておきます。
温度はいつもより少しだけ高いくらいがベスト。
冬眠:他の蛇と基本的なことは同じで特別必要なものはありません。