分布:北海道・本州・四国・九州・奄美諸島

大きさ:70〜80cm

概要:夜行性で体が小さく、分布域は広くても一箇所に生息する頭数が少ない上に山に生息するため見つけにくく、幻の蛇とされ、死体すら中々拝むことが出来ないレアなマダラ。
体が小さい
▲体がかなり小さい▲

実に陰気な蛇だ、ハンドリングは不可能と言えるし、容易に拒食するし死にもする。

強制給餌が出来るか否かでも成果は変わってくるんじゃないのだろうか?

くどいようだが前述の通り幻の蛇とも言われ、死体を見ると喜ぶ人も居るそうだが、実際はかなり広範囲に分布しており致命的な減少などは無いように思える。

ただ、とても発見しづらいのは確かで、飼っていても積極的に出回ると言う事もあまり無い。

環境に馴染んだCH(持ち腹)でもちょっと出歩くと床材に消えていく。

おとなしいというが、追い詰められると攻撃してくるし、それでも効果がないと分かれば土中に逃げる。どうも半地中性なようだ。

色変わりとしてリューシスティック(白化個体)が存在する。

飼育:高温には弱いと聞くので温度は大体22〜24℃程を保っている。

床材は、下部にミズゴケを入れ、上部には湿らせた椰子殻を敷いており、下部はグチョグチョになるように設定してある。この湿度は特に大事だと思う。

適正な環境を用意できない為か、餌が悪いのか(ニホントカゲが大好きな子が多い)、体調が優れないものが多いのか飼い難い。

餌さえ用意できればと言われるが餌を用意しても食わない事も多いのだから・・・・。

青大将のような飼い方をすれば状態を崩すのではないかと思っている。

自然下では山間部の道路沿いのパイプ、朽木の下などで見つかるそうなので、倒木をシェルターにしている。

ケージはタッパウエアに穴を開けたものを使用しているが、今のところ支障は無いようだ。

 :冷凍ヤモリを使っているが、シロマダラは大きいと餌を呑まないか吐き出すかなので、ヤモリの尻尾と足を捥いで与えている。

これを一日置きに与えており、順調に育っている。シロマダラの中には、カナヘビしか食わない個体が居たり、ニホントカゲにしか
餌付かない個体が居たりして飼育は難しい部類に入る。

シロマダラが好むか好まないかが重要になってくる。

それでも安易に飼って良い種類ではない。また、ピンクマウスには強制的に食べさせるかスキンク類の血を付けるかでもしない限り餌付かないが、餌付く個体も居るそうだ。しかし、シロマダラにピンクマウスをやって消化管に負担がかからないのか疑問が残る。

どうもホビーとしての動物飼育は食えば全ての風潮が強い。

食えば全てと言うのはカステラだろうが蕎麦だろうが刺身だろうがケーキだろうが凍ったマウスだろうが食ってしまえばメニューの一つだよ。

・・・と、なってしまうのだ。

これは大きな誤りだと言わざるを得ない。

どうしても食べてくれない場合はピンクマウスを使った強制給餌を試みなければいけない。

強制給餌の手法は別項に記載するとする。

失敗したり、駄目な場合はとことん駄目で、他の蛇よりも死が常に付きまとう。

冬眠:日本最北端に住むDinodonだけに冬の寒さに対して耐性があり、冬眠することが可能と思われる。

しかし、冬眠はただ寒いから動かない
と言う単純な理屈ではなく、複雑な体内リズムによってなせる技である。

日照時間と気温の変化から冬が近いことを知ると、餌食いが落ち始め、11月中旬頃〜下旬にかけて拒食モードに入る。

それを目安に餌を打ち切り、体内にある排泄物が全て出るように冬眠まで期間を設けてやる。勿論この時期は水だけを与え、徐々に温度を下げていく。

ここまでやるのに絶対に必要な条件は個体が健康体であることと脱皮間近であればそれを終わらせていることである。

準備が済んだら温度変化の少ない0〜2℃程の場所に置き、2〜3ヶ月冬眠させる。

三月の中旬から下旬にかけて温度を徐々に上げて冬眠から起こし、目が冷め切って餌を求めて動き出したら胃腸が弱っている事も考慮に入れて小さめの餌を回数多く与えていく。これも個体の状態を見ながらやると良い。

だんだん肉付きが良くなって来たら通常の餌に戻し飼育をする。

なお、この時期は恋の季節でもあるので交配をさせると良いと思う。

冬眠明けしてから餌食いがイマイチの個体には生餌を与えて体力を付けさせる。

シロマダラは体が小さく、体調を崩したら一発でアウトなのでよく気をつけ、冬眠中もこまめに見てやる。

状態の優れない個体は冬眠をさせないか、完全に元気になってから冬眠に入れるような処理をしてやる。自信がない場合は保温して飼育を続けること。

10/5・・・冬眠を控えており居ながら拒食し続けるシロマダラがようやく再び餌を食べてくれるようになりました。管理人、「あ!良かった。食べてくれたんだ!」では終わりません(笑) そこで何故餌を食べなくなり、そして再び食べだしたのかを検証したいと思います。

@@@@餌を食べていた時の飼育設備@@@@

タッパウエアの下部にミズゴケを敷き詰め、その上にたっぷりと椰子柄を乗せ、隅から水を注いで下部はビショビショ、上部の椰子柄はしっとり・・と言う環境をキープしていた。通風孔は上だけで、小さな穴が開いているだけ。設置場所は薄暗く、温度が22〜25℃くらいの脱衣所の床

@@@@原因として考えられるもの@@@@

@床材として使用しているミズゴケ及び椰子殻の湿りすぎ(ビショビショだった)

A急に冷え込んだ上に床に置いてあったため、冷気を直接受け、冬眠準備状態になってしまった。

A日照時間の変化から冬眠準備に入ってしまった

B掃除をややサボったため床材が汚染された。

 C気まぐれ

D病気による食欲の減退

E湿度に原因がある

F餌の質落ち

Gレイアウトが気に入らない、または設置場所が気に入らない。

@@@@考察@@@@

先ず、今まで餌を食べていたのが急に食べなくなった事に着目。

と、すれば餌を食べていた頃と拒食後の環境に何らかの変化があったと取るべきである。

餌を食べると言うことは、それはシロマダラにとって、餌を食べるだけの心理的なゆとりが有ったことに他ならない。

とすれば、その環境は正しいと言うことになるため、@EGは外れることになる。

残りの、ABCDFの問題だが、Cは論外だと考え、Fも手の施しようが無いので外す。

残るは、ABDなのだが、もう考えるよりここまで絞ったら実行あるのみである。

手軽に出来ることからはじめるとして先ず床材を全て新しいものに変え、土を腐葉土にした(前は椰子殻だったが、それでも餌を食べた)、そして、温度要因を改善するために暖かい部屋に持ってきた。

暖かいがそんなに気温が上がらない場所に置く。そして、ミズゴケをシェルター代わりにして薄暗い場所に置いて様子を見る。

 @@@@結果@@@@

なんと!餌を食べてくれた。温度要因と床材の汚れに問題があったのだと知る。

このように蛇の飼育をする際には蛇の側から問題点に当たって解決していかなければならない。これを環境エンリッチメントと呼ぶ。



さて、話を戻すとして、著者はシロマダラの冬眠に成功した試しがない。

餌付けも済んで、しっかり餌も食べて冬眠前までは上手くいくのだが・・・・。

どこか飼い方が悪いのだと思っているのだが、最近もう一つ思うところがあって、寄生虫の問題もあるのではないか?と思う。

例えばカナヘビも冬眠させるのが難しい事で知られる。

彼らは体内に寄生虫が多く居るとされ、普段は普通にしていても冬になれば体内の寄生虫と共に冬眠をし、体力も抵抗力も全て落ちて危険な状態で春を迎え、回りの気温と共に体内の寄生虫が活性化!その変化に体が対応しきれずに調子を崩し死ぬ場合が多いそうだ。

そんなものを餌にしているシロマダラに寄生虫が居ない筈が無く、体も小さく体力も無い為にカナヘビと同じような・・・いや、それ以上の負担があるのではないか?と推測ではあるが考えている。


コラム:私はシロマダラの有精卵を入手する機会があって、卵を孵した事がある。

3つ程あった卵のうち二つが腐ってしまい、二つは孵った。

卵は固く絞ったミズゴケに入れて室温に任せて放置。

乾燥しないように気を使い、見守る事二ヶ月。

夏と言う事もあってか気温は高かったのですが卵は順調に育ち、秋の声を聞く頃になると卵に亀裂が入り、シロマダラが顔を覗かせた。

卵から出るのには一日を要し、一匹目が生まれた次の日にはもう一匹が誕生。

暫らくはそっとしておこうと思い、そのままにして置いたが共食いする事は無かった。

給餌は一回目の脱皮が終わってからと思い、特に何もしなかった。

その後一週間程で脱皮をし、それを見届けてから解凍したヤモリの尻尾を置いておいた。

シャーペンの芯より二回り太いラオスオオカミヘビのベビーなんかと違い、シロマダラのベビーはコーンスネークのハッチリングより幾分小ぶりくらいと大きい。

夏にシロマダラのベビーとして小さいのが出回るが、あのサイズだ。

なので、初めから楽勝でヤモリの尻尾を呑め、餌付きも大胆な事この上なく、とても飼い易い。

以前からシロマダラのベビーは無理、難しいと聞いてはいたのだが、そんな情報も何処吹く風、順調に成長していった。

餌は一日おきで、毎回ちゃんと食べ、人が隣で何かしていても部屋が明るくても見つければ拾って食べていた。

二匹居たうちの一匹はプラケースのエアーチューブを通す為だかなんだかの隙間から逃走してしまい(あんな隙間から出るなんて)、もう一匹は冬眠に失敗して死んでしまったのだが貴重な体験が出来たと思っている。

冬眠させないで飼おうかとしたのだが、バイオリズムには逆らえないらしく、冬が近づくと当たり前のように拒食。

冬眠せざるを得ない状態になってしまった。

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